あなたは、「小説(物語)はどこから生まれてくるんだろう?」なんて考えたことありますか?
自分が書く小説(物語)は、自分の中のどこかを通って表に出てくるわけなので、他人のものではない自分自身の何かを物語って(反映して)いると思うのです。
そこで私は思いました。「自分は自分を本当にわかっているんだろうか?」と。
小説(物語)が自分の中から生まれるのなら、自分のことがわかっている必要があると思いました。
それで、自分自身を徹底的にブレインダンプしてみたくなったのです。
すると、本当の自分を見つけることができました。
自分をブレインダンプした方法
私はブレインダンプをする道具にマインドマップツールを使うことに決めました。
次に迷ったのは、自分のことを自問自答するのに、どこから手を付ければいいのか考えてしまいました。
ブレインダンプなので、思いつくままに頭に浮かんだことを書き出して、後でカテゴリー毎にまとめれば良いのですが、不効率だけでなく、漏れが出てしまうように感じました。
私の性格的なものかもしれませんが、始めにカテゴリーを出してから、各カテゴリー毎に集中的に考えた方が自分のことを網羅できると考えました。
自分を分析するカテゴリーを設定しておく
私は次のようにカテゴリーを設定しました。
これらのカテゴリーについて思いつく限り答えたら、自分のことがかなり分析できると思います。
ブレインダンプしながら、他にも思いついたら追加していきます。
- 好きなもの(物、人、文化、場所、思い出他)
- 嫌いなもの(物、人、文化、場所、思い出他)
- 身体的特徴(体格、血液型他)
- 精神的特徴(性格、思考、価値観他)
- 家族経験(家族、結婚、離別他)
- 疾病経験(疾病歴、傷害歴他)
- 学習経験(学業歴、学習歴他)
- 運動経験(部活歴、運動歴他)
- 職業経験(アルバイト、職歴他)
- 社交経験(恋愛歴、社会活動歴他)
- 成功体験
- 失敗体験
- 夢
更にカテゴリーを細分化した
例えば「好きなもの」だけでは大雑把すぎるので、もっとカテゴリーを細分化しておく必要があります。
次のように「好きなもの」カテゴリーを細分化しました。
このレベルのカテゴリーも、他にも思いついたら随時追加します。
- 服装
- 食べ物
- 飲み物
- お菓子
- 家
- 男(どんな男)
- 女(どんな女)
- 職業
- 勉強
- 本
- 映画
- TV番組
- ラジオ番組
- 音楽
- スポーツ
- 有名人
- 国
- 場所
- 乗り物
- 旅行
- 思い出(記憶)
- Webコンテンツ
単語でなく文を書く
最初に「好きなもの」の「服装」からブレインダンプを始めました。私の好きな服装は何だろう?と。
先ず頭に浮かんだのが、「既製服」でした。私は安い既製服が好きだからです。(^^;)
そこで私は思いました。単語だけでは私の頭で思った中身を表せないと。当然ですよね。
それで、既製服への私の思いを簡単に書いてみました。
「高級品は似合わないので、安くてデザインの気に入った既製服を見つけて買えた時には満足感がある」
すると突然、昔既製服を買った時の記憶が蘇ってきたのです。
デーパートのエスカレーターを登っていく私の若い時の姿でした。
私の中には既製服についての思い出みたいなものが、まだまだあることに気が付きました。
考えてみたら当然ですよね。好きなもののことを考えているのですから、良い思い出が残っているはずです。
自分を知ることは思い出を探すこと
自分のことを知りたくて、色々な角度から自分を表そう(分析しよう)とします。
自分を構成する要素の一つ一つには記憶や思い出が残っています。
自分を知ろうとすることは、自分の記憶や思い出を探すことだとわかりました。
その記憶や思い出は、ブレインダンプをする前は、まったく意識の表面には現われていませんでした。
自分の心の奥には、ひっそりと潜んでいる記憶や思い出があるのですね。
思い出の中に本当の自分を見つける
小説を書くということは、自分の心の底に眠る記憶や思い出を呼び覚ますことでもあると思います。
忘れてしまったと思っていた思い出の中に、本当の自分の姿をみつけるかもしれません。
自分は思っているよりも悪い人間かもしれないし、善い人間かもしれない。
どういう人間が小説を書いているのか、自分というものを自覚して書く小説は、そうでない小説とは内容の深みが違ってくるように思うのです。
本当の自分は善人だと思って書くのか、悪人だと思って書くのか。
「私が安い既製服が好きなのは、服なんかにお金をかけたくないという思いがある。
その思いは、汚れた作業着で畑仕事をしていた両親の姿や、『人間は中身が勝負だ』と誰かが言った言葉などが詰まったものだ。
不相応な贅沢は自分を不安にさせる。贅沢をすると、今に足元をすくわれるような気さえする。
小学生の時一度だけ、私は母親のガマグチからお金を盗んだことがある。学校の友達がみんな持っていたものが欲しくて我慢できなかった。
その時の引き出しの中にあったガマグチの形や色を、今でも鮮明に覚えている。その時の罪悪感と一緒に覚えている。
私が安い既製服しか買わないのは、無意識の罪滅ぼしをしているのかもしれない」